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販売士 1級検定試験(第87回)に合格した話


販売士検定試験 は商工会議所の検定試験です。2015年度から検定試験名称は「リテールマーケティング(販売士)検定試験」となりました。2021年度に実施の第88回からは1~3の全級がネット試験方式(試験会場:テストセンターのパソコンを使用した試験)となるため、2021年2月17日に行われた第87回検定試験は筆記による最後の客観式選択問題&記述式問題試験です。私はこの第87回の検定試験に合格することができました。

販売士1級検定試験(第87回)に合格した話

販売士検定試験
URL https://www.kentei.ne.jp/retailsales
※最新情報は定期的に確認しましょう。
※2021年度の第88回検定試験から ネット試験方式(試験会場:テストセンターのパソコンを使用した試験)です。試験方法・期間・時間も異なりますのでご注意ください。
※この記事の内容は私個人の体験談です。実施は自己責任でお願いいたします。検定試験や関連団体とは一切関係ありません。

受験料
1級 7,850円(税込み)
インターネットで商工会議所に申し込みクレジットカード決済で支払いをしました。
※第88回の検定試験からはこの申込み方法ではありませんのでご注意ください

出題科目
①小売業の類型
②ストアオペレーション
③マーチャンダイジング
④マーケティング
⑤販売・経営管理

試験時間
集合時間 9:30 前半120分
①小売業の類型
②マーチャンダイジング
③ストアオペレーション
休憩
集合時間 13:00 後半80分
④マーケティング
⑤販売・経営管理
※この試験時間は第87回のものです。
2021年度からはネット試験方式となり試験時間も合計200分から90分になります。

合格基準
全科目の平均点が70点以上かつ50点未満の科目がないこと
※この合格基準は第87回までのものです。
2021年度からは各科目70点以上になります。

私の勉強方法
STEP1
テキストや関連資料を書き写して触覚(筆圧)と視覚(文字の形や図)でインプット。
STEP2
現場(BRIGADEとshams)でアウトプット。
STEP3
試験用に勉強する部分と、後で仕事に活用する部分に分別し再びインプットとアウトプット。
STEP4
過去問題3年分を当日の試験開始時間に合わせて実施。科目ごとの出題傾向と所要時間を把握。
STEP5
記述式問題を繰り返す。
STEP6(2021年の試験時にこの勉強方法を加えました)
記述式問題のテキスト解(テキストにおいて正解とされている答え方)、最適解(テキスト掲載時と市場が変化しているものがあるため2020年地点で最適と思われる答え)、両方を合わせた自分なりの納得解を書き出す。

当日会場に持って行ったもの
・受験票(体温記載済)
・科目合格証書(原本)
・シャープペン2本(PRO-USE 171)
・消しゴム2個(MONO one)
・腕時計(SKAGEN Aaren)
・身分証明書(試験官が回ってくるまで伏せておく)
・トローチ(万が一乾燥で喉が耐えられなくなった場合用)
・湿布(肩と腰に装着)

販売士1級(第87回)に合格した話。前年の不合格通知。

実は昨年の販売士1級検定試験(第85回)も受験していました
2020年の第85回販売士1級検定試験も受験していたのですが、平均点の70点に足りず不合格でした。この時のことをいつか書こうと思っていたのですがなかなか進まず…。諸々への対応でBRIGADEが総力戦になったり、カラーコーディネーター検定試験を受験したり怒涛の2020年でした。そもそも検定試験を通じて学びを得て仕事に応用することが目的の私にとって、正直なところ販売士1級検定試験は抵抗を感じる箇所が多くありました。もう一度チャレンジして突破したいかというとそう思えない自分も居ました。それでももう一度2021年に試験に挑むことができたのは2020年を経験して自分に守りたい人や場所が出来たからだと感じています。少し長くなりますが自分なりに書き留めておきたい気持ちがあって今回文章にしました。これを表に出すことが決意表明にもなるのでよろしければお付き合いいただけたらと思います。

不合格通知到着
2020年4月、通知書を開くとクリアファイルに入った2枚の紙がありました。一枚は不合格の成績表もう一枚は科目合格証書です。一科目50点以上平均点70点以上取れていれば合格の1級試験、それが平均点69点で不合格。全く点数が取れないのであれば納得ができますが69点で落第。やっぱりなと思いました。

第87回まで販売士1級検定試験は1年に一度しかなく毎年2月中旬に実施されていました。私にとって毎年のその頃は諸々の春商戦に取り組んでいる時期です。とにかく勉強時間を確保できるかが鍵になるだろうなと思っていました。販売士は基礎を3級、応用を2級、発展を1級で学ぶレベル設定となっています。科目は2・3級同様「小売業の類型 」「マーチャンダイジング」「ストアオペレーション」「マーケティング」「販売・経営管理」の5科目です。1級は2・3級のように全てがマークシート式でははく、客観式選択問題+記述式となっています。2・3級で学んだ土台に1級の内容を重ねて理解していくので覚えやすかったのですが、それでも科目の範囲は広く異なる言葉で表される用語や記述式問題に慣れるのに時間がかかり過ぎてしまいました。

1級の内容と試験問題に微妙な抵抗感があった
私自身、小さな通販サイトを営みBRIGADEではひとり経営の方の顧客化の対策を行っていることもあって現場実務主義です。極小零細の小売業ですがマーケティングもマーチャンダイジングも、サイト運営から商品の撮影、ページのデザイン、お客さまとの接客まで自分でやります。基礎応用発展の3~1級の内容を自分の現場に落とし込んで行っています。販売士1級の内容は出てくる数字も責任の幅も大きく関わる人数が多数いることが前提にあって、私のような極小規模、自分で実務実行のひとり経営にとって眉間に皺を寄せる箇所が多くありました。私の認識不足や勘違いでしたら大変申し訳ないのですが、”計画は立てるけど実行も売上も下の現場で達成よろしく自分たちは上で数値管理側だから”というような構図を見ているようでした。規模を持つ小売業ではそういった形で展開を進めることも十分承知していますが、私自身がそのような環境に身を置いていないこと、机上と現場の合致を大切にしていること、現場で働く人を尊敬していること、ひとり経営を誇りに思っていることもあって、私のような極小零細小売業のひとり経営者が学ぶのは場違いなのだろうかと学べば学ぶほど苦しくなっていきました。試験問題もテキストを隅から隅まで読んできましたか?暗記してますか?を問われるもので(試験なので当たり前ですが)試験問題に合わせた解答の仕方が出来なければならないのだな…と、それが十分にできない自分の学の無さに打ちのめされたりもしました。そんな気持ちで挑んだ2020年の検定試験だったので、口惜しさはありますが平均点の70点すら取れずに落第した自分にどこか納得もしていました。

知行合一とコロナ禍
2020年の検定試験は不合格に終わりましたが、知識を得ることはできたので挑戦してよかったと感じていました。何より知行合一。知っていてもできなければ知らないのと一緒だと、再試験を受けることは考えずに実務に励みました。BRIGADEは臨戦態勢を取り、自分たちが関わっている仕事、メンバーそれぞれの仕事、私自身も全員が生き残るために力を振り絞って対コロナ総力戦に挑んでいきました。

マスクや消毒液が店頭からなくなり、緊急事態宣言の発令があり、レジには透明なビニールシートが張られて。ピリピリとした空気、やり場のない怒り、暴力的なやりとりを現場で目にして心を痛めることも多くありました。販売士の勉強を始めてから小売業を益々好きになった分、2020年に味わった苦さも人の温かさも一生忘れることはないと感じています。息もできないような強風が唐突に吹いて繋いでいた手が離れてしまったこと、自分もメンバーたちも差し出せる手の長さにタイミングに限界があったこと、それでも立って戦うしかない。打ちのめされて何度も何度も泣きました。

支援が少ない芸能の世界
2019年から始めた邦楽のお稽古がお休みとなり、それをきっかけにコロナ禍における芸能に関する支援を調べてみたところ僅かであることを知りました。経営支援であれば様々な支援機関が体制を整えていますがその必要な支援すら行き届かない人たちも大勢いますし、芸能に関しての支援は後回しになってしまうのも仕方のないことなのかもしれません。

お稽古をしていただいていた頃、年月を超えてこの時代まで古典芸能を守ってきた方々が居ること、ここまで繋いでくださった方々がいること、自分もその一部を体感できた幸せを感じていました。地元でもなく家族と離れた土地で商いを営んで暮らす自分に時代を超えて温かい繋がりが出来た気がしました。

私は先生にお願いして自分に出来ることをお手伝いするようになりました。経営支援をする専門家が大勢居るように、古典芸能と古典芸能に携わる人や場所を支援する専門家がもっと居たら。どちらもできる自分をこれからは目指したいと思うようになりました。誰かにとっては不要不急のもの、でも別の誰かにとっては不要不急ではないもの。こころを潤したり支えになる目に見えないもの。日本の古の物語や芸能とそれを命懸けで守ってきた人たちをこれから先に待っている人や場所へ伝承する。

命や運や時が今このときに滅びることを定めていたらどうしようもない、でもこのときがこれから先に向けて変わるべき姿になる瞬間だとしたら、もし自分がそのときに立っているのだとしたらできることはある。大切な先生や芸能を守るための力を、あの人のいらっしゃいませやごちそうさまを守るための力を、学びなおして身体に叩き込む。自分が新しい姿に変わるのは今だと再受験を決めました。

試験前の2021年1月にサイトに掲載していた動画です
BRIGADEと自分の決意表明でした(音量を調節してご覧ください約33秒)


試験を突破するための答えと自分のリアルな答えは一緒でなくても構わない
販売士1級検定試験で自分が抵抗を感じた箇所を洗い出し、 記述式問題のテキスト解(テキストにおいて正解とされている答え方)、最適解(テキスト掲載時と市場が変化しているものがあるため2020年地点で最適と思われる答え)、両方を合わせた自分なりの納得解を書き出していきました。自分で拍子抜けしたのですが、この単純な方法で抵抗感が消えました。自分が1級販売士になったら、テキスト通りの考え方を自分の経営で徹底しなければならないと思い込んでいたこと、そうあるべきだという思い込みをしていたことも気付きました。人前でテキストの内容を解説するのであればともかく今後自分の立場ではそのようなことはないので、基礎的なやり方や体系などは押さえ、今までの自分に合わせてコンパクト過ぎた考え方はこれからの自分に合わせてサイズアップ。それによって自分の大切な価値観が失われることがないように学びなおしを進めていきました。試験を突破するための答えと自分のリアルな答えは一緒でなくても構わない。立場が違う当たり前だ。そう思うと2019年地点とは違う視点で学びなおしができ、2020年を過ごしたことによって新しく得られた答えにも気づくことができました。試験に関しては突破するために制限時間で求められている回答を端的に書けること。同じ意味を異なる言葉で試されても立ち止まらないこと。それ以外は考えなくていい。

2021年2月の第87回検定試験は科目免除(前年に科目合格している科目は試験を免除)できるので私の受験科目は3科目でした。第88回からは受験方法も時間も変わることから、これが最後の試験だと次はないところへ自分を追い込んでいきました。でも去年の追い込み方では足りない。2020年のカラーコーディネーター検定試験の勉強方法で自分を追い込むコツがわかっていたので、そこを更に追い込むために通販サイトのリニューアルとBRIGADEの案件を入れてインプットとアウトプットの緊張状態が続くように仕込んでいきました。

脳内セットリストはタルカス
検定試験の2週間前からは身体をコントロールしていきました。食べる物、食べる量、運動時間、仕事時間、外部との接触は必要最小限に。前年の試験で回答用紙が配られてから試験が開始されるまでに少し時間があるのが分かっていたので、その時間に脳内で音楽が流れて3曲目が終わったタイミングでパフォーマンスが最適になっているように音を覚えていきました(前年の試験、カラーコーディネーター検定試験もこのセットリストです)。

私の脳内セットリスト
タルカス 吉松隆編曲 藤岡幸夫・東京フィルハーモニー交響楽団
1曲目 Manticore
2曲目 Battlefield
3曲目 Aquatarkus

科目免除者の受験時間は制限時間が違う
実は試験当日まで全く気が付いていなかったのですが、科目免除者(私の場合は2科目免除)は試験時間が免除される科目分少なくなります。各科目試験時間のうち何分で解けるかを過去問題で把握していたので大丈夫だったのですが、もし過去問題を解く時間を計測していなかったら予定時間より早く解けるように訓練していなかったら時間を十分使えると思って配分を考えてなかったらと思うとゾッとします。第88回の検定試験からはネット試験方式になり試験時間も短縮されて5科目200分から90分となるので科目免除者の試験時間がどのようになるのか、また記述式はどうなるのか私にはわかりません。打ち込みが必要であれば普段からキーボードに慣れていない方は大変になるのかもしれません。

ここにいる自分に自信を持ちたい
合格発表の2021年3月31日。一年ぶりにお会いできた方と湖を見ながら梅干しと昆布のおにぎりを食べて、ここで試験の結果を見ようと決めました。自分が行くべき場所で行くべき時であれば道は開く。そうでなければ道は開かない。昨年落第したのもここを経なければ得られない学びがあって、その時合格を手にして行くべき場所ではなかったから今ここにいる。ずっと悔しかった。怖かった。悲しくて辛かった。自分を大切にしてくれる人を守りたい、自分に命をくれた人たちと進みたい。道は開くだろうか。

本当の気持ちは?と問われて、泣きながら「ここにいる自分に自信を持ちたい。」と答えて結果を見るとそこに自分の受験番号がありました。

販売士の資格は役に立ちますか?
①資格を活用できる場所があること(あるいは理解を示してくれる職場があること)
②試験勉強から知識にして現場にアウトプットできること
カラーコーディネーター検定試験の過去記事でも同じことを言っていましたね。何をもって役に立つかというところもありますが私の個人的なところで言えば、この両方を果たせる環境を自分自身で作っている(BRIGADEとshamsがある)ので役に立っています。ただこの資格を持っているからと声をかけられたりお仕事をいただくことはないです。また、こちらも個人的な見解となりますが小売業に携わるのであれば、販売士1級だけではなく3級・2級も通して学ぶことをおすすめします。どのような現場が数字を支えているのか、数字はどのようにして計画されるのか、それぞれの立場や視点を理解することはあらゆる成果を高めるために欠かせませんし、お互いを思いやることにも繋がると私は感じています。

販売士1級合格後の変化
間もなくBRIGADEでは色と形の新しいサービスが始まります。学んだらもう以前の自分には戻りません。引き続き私たちが志すコンパクトで変容可能な商いを生み出すこと、素材から新しい可能性を錬成すること、私個人としては古典芸能に携わる方々のお役に立つことを果たします。学ぶほどに覚悟を決めるほどに見える景色も変わってきました。皆を連れ、あるいは新しい仲間と出会いながらこれから先に進みます。どこかでお会いすることがあればどうぞよろしくお願いいたします。

ここまで読んでくださってありがとうございました。


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